医療事務資格って、ぶっちゃけ必要?
医療関係の仕事は、たいていその仕事をするための資格が必要です。医師も、看護師も、技師も、必要な単位を大学や専門学校でとって、国家試験に合格して、初めてその役職を名乗れます。もしも、無資格でその仕事をしようものなら、法律で罰せられてしまいます。医師や看護師は人の命を預かるわけで、大げさに言えば、人の人生を左右しかねないわけで、そんな仕事を無資格で行われたらたまったもんじゃありません。だから、そういった医療系の仕事に就きたい場合は、まずは資格をとらなければなりません。
ところが! 医療事務員はというと、必ずしも資格を持っていなくてもその仕事に携わることができます。医療事務資格は、俗にいう民間資格で、民間団体が独自の審査基準を設けて作った資格です。具体的には、世界的に有名な英語の試験TOEICと同じ分類です。例えばTOEICで800点超のスコアを持っている人がいたとします。心底すごいと思うし、さぞかし英語が堪能なんだな〜と思います。しかし、そのスコアがあったとして、それで通訳や翻訳家として名乗れるわけではありません。この仕事ができる、という確固たるものはなく、とにかく英語ができる人、という評価を得られるのであって、そのスコアがない人にはできない特別な資格が与えられるわけではないんです。
医療事務資格もそれと一緒です。医療事務の資格を取ったとして、世間からの評価は『そんなの資格なくたってできる仕事じゃん』『○○さんは、資格もっていないけど医療事務やってるよ』となったりもします。
じゃあなんでそんな資格が存在するんだ〜!!と憤慨したくなる人もいるでしょう。取っても無意味ならなぜおいしいことばっかりCMで言うんだ〜!!と悶絶したくなる人もいるでしょう。
まぁ、…そこはね。大人の事情といいますか……。民間資格っていうのは、民間企業が利益を得るためにつくった資格なわけだから、当然お金も●けのためにあるといいますか…。そういうのが根本にあるから、医療事務資格にはよく分からない、受ければ誰でも受かる試験とか、講座を受けないと受験できないとか、それって意味あるの?と思うような資格が存在するわけです。
じゃあ私はなぜ、診療報酬請求事務能力認定試験の資格を取得したかといえば、単に何かを暗記したり新しい知識を得るのが好きだからです。決して頭がいいわけではないけれど、やればちゃんと結果になるのが好きで、時間に余裕のあるときは興味のある分野の資格を取ります。中堅の資格をいくつか所有する、趣味レベルの資格好きです。さらに、サイト作り、画像の加工、ノートまとめという好きなことを融合させたら、このサイトができあがりました。
これだけ書くと、じゃあ医療事務の資格なんてアホらしいから取るのやめよう、と思い始めたかもしれませんが、そこはちょっと待ってほしいところです。
近年では、医療事務の知名度が高くなり、有資格者が増えました。ひとつの募集に対し何十人もの応募があるのが現実です。資格のある人でもなかなかいい仕事が見つからない現状で、資格のない人の応募は若干不利です。また、『資格不問』の募集の場合、条件があまりよくないことや仕事内容がハードなこともあります。
もし仮に、全く同じ年齢、外見、学歴を持った3人がいたとします。そのうち、Aさんは医療事務の勤務経験が 3年あり、有資格者です。Bさんは、医療事務の勤務経験がなく、有資格者です。Cさんは医療事務の勤務経験がなく、資格は持っていません。この場合、一番有利なのはAさんなのはすぐわかりますね。
では次の場合はどうしょうか。全く同じ年齢、外見、学歴を持った2人がいたとします。Dさんは、医療事務の勤務経験が5年、資格は持っていません。Eさんは、医療事務の勤務経験がなく、有資格者です。この場合どちらが有利だと思いますか?
答えはDさんです。ハローワークなどで紹介されている仕事の募集要項には、『経験者優遇』と書かれているところが多いです。学習期間数ヶ月〜半年程度で取得できる資格より、勤務期間5年の方が採用側からすれば評価は高いです。
じゃあやっぱり資格なんていらないんじゃ…?と思うかもしれませんが、そこはまた、前の話に戻ります。資格のない状態での就職活動は、資格のある状態より若干不利です。もちろん、このDさんのように資格なしでも勤務している方はたくさんいます。資格を重要視する病院もあれば、資格をあまり重要視しない病院もあります。でも私は、たかが半年そこそこで取れるなら、邪魔になるものでもないし取っておけばいいと思います。とりあえず派遣や契約社員として実務経験を積んで、Aさんの状態になってから新たに条件のいいところを探すという選択肢もうまれます。
当然ながら、受ければ誰でも受かるような資格はおすすめはしません。講座を受講しないと受験資格が与えられないような資格もおすすめしません。おすすめするのはあくまでも、診療報酬請求事務能力認定試験です。厚生労働省認可国家認定試験であることもあり、他の資格と比べると難易度が高いです。誰でも受験できて、市販本も一通りそろっています。専門学校に何十万も支払って、1〜2年通わなくても、数万円の市販教材と数ヶ月の勉強期間で取得できます。
医療事務資格って、ぶっちゃけ必要? そう聞かれたら、私はこう答えます。絶対に必要ではないし、どこに行っても通用する武器というほど強いものでもないけれど、ときに思いがけず有利にことが動くこともあるものです。数万円と数ヶ月、それと引き換えに手に入るのならばぜひとも取るべきです。